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イクメンへの道 by 弁理士GolferPA

イクメンへの道 by 弁理士GolferPA

H19 再現答案(特実)

■特許・実用新案法          評価:C(ただし、形式面でのミスあり)
 (5.8P(4.3P+1.5P)、2,508字(1,870字+638字))

 ※丸数字が表示不可のため、「○数字」で表記してあります。

問題Iについて
 1.小問(1)(イ)について
  (1)A2は、外国語特許出願とみなされた出願(184条の3第1項)
    であるため、甲は、適法に国内移行を行う必要がある。
  (2)甲は、国内書面提出期間内(184条の4第3項)
    又は翻訳文提出特例期間内(184条の4第3項かっこ書)に、
    A2の明細書、請求の範囲の翻訳文を提出すべきである
    (184条の4第1項)。
     未提出の場合は、A2は取り下げられたものとみなされるからである
    (184条の4第3項)。
     ここで、国内書面提出期間は、優先日から2年6月である
    (184条の4第1項)。
  (3)甲は、在外者(8条)であるため、国内処理基準時
    (184条の4第4項)の属する日後3月以内(施規38条の6の2)に、
    特許管理人(8条)を選任して特許庁長官に届出をする必要がある
    (184条の11第2項)。
     届出がなかった場合は、A2は取り下げられたものとみなされる
    からである(184条の11第3項)。
 2.小問(1)(ロ)について
  (1)甲により刊行物Xは発表されているため、発明イは
    公知(29条1項3号)となっている。
     出願A1の明細書等には発明ロは記載されていないため、
    発明ロについてはパリ優先権の利益を得ることができない
    (パリ4条B)。
    よって、ロの特許性の判断時は現実の出願時であるA2時となる
    (パリ4条B)。
     そうすると、発明イを含有する発明ロは、刊行物Xのイを引用して
    29条2項の拒絶理由(49条2号)を有し得ることとなる。
  (2)甲は、当該拒絶理由を解消するために、新規性喪失の例外規定の
    適用を受けることができる(30条1項)。
     適法に受けられれば、刊行物Xのイは、発明ロの特許性判断の
    引用例から除かれるからである(30条1項)。
  (3)○1 時期的関係について
     甲は、当該規定の適用を受けるためには、刊行物Xの発表日から
    6月以内に、A2をすべきである(30条1項)。
  (4)○2 手続について
     甲は、当該規定の適用を受けたい旨の書面をA2と同時に、
    また、A2の出願日から30日以内に所定の証明書面を特許庁長官に
    提出すべきである(30条4項)。
 3.小問(2)について
  (1)イについて
    ○1 甲のA2のイの29条の2の判断時はA1時となる(パリ4条B)。
       イはA1、A2の両方の明細書等に記載があり、パリ優先権の
      利益を受けられるからである(パリ4条B)。
    ○2 乙のイの29条の2の判断時は現実の出願時であるB3時となる
      (41条2項かっこ書)。
       イはB1、B2、B3の明細書等に記載があり、国内優先権の
      重複適用はないためである(41条2項かっこ書)。
    ○3 A2はB3の先願である。よって、甲のA2のイは、
      乙の出願を引用して29条の2の拒絶理由を有することはない。
  (2)ロについて
    ○1 甲のA2のロの29条の2の判断時は現実の出願時のA2時となる
      (パリ4条B)。
       ロはA1の明細書等に記載されておらず、パリ優先権の
      利益を受けられないからである(パリ4条B)。
    ○2 乙のロの29条の2の判断時はB2時となる(41条2項)。
      ロはB1の明細書等に記載されておらず、B2、B3の両方の
      明細書等に記載されているため、国内優先権の利益を
      受けられるからである(41条2項)
    ○3 B2はA2の先願である。また、B2とA2とでは、
      発明者(41条2項かっこ書)、出願人(41条2項ただし書)が
      異なる。更に、B3は出願公開されている。
       そうすると、甲のA2のロは、乙の出願を引用して29条の2の
      拒絶理由を有することになる(49条2号)。
    ○4 ただし、刊行物Xによって、B3の発明ロが
      進歩性違反(29条2項)で拒絶された場合は(49条2号)、
      B3の出願公開前の場合は、29条の2の適用はなく、
      B3の出願公開後の場合は、29条の2の適用がある。
 4.小問(3)(イ)について
  (1)イについて
     前記のとおり、B3のイの特許性の判断時は現実の出願時である
    B3時となる(41条2項かっこ書)。
     そうすると、B3のイは、刊行物Xのイを引用して29条1項3号違反の
    拒絶理由を有する(49条2号)。
  (2)ロについて
     前記のとおり、B3のロの特許性の判断時はB2時となる
    (41条2項)。
     そうすると、B3のロは、刊行物Xのイを引用して29条2項違反の
    拒絶理由を有する可能性がある(49条2号)。
 5.小問(3)(ロ)について
  (1)新規性喪失の例外規定の適用(30条2項)
     刊行物XがB3のロの特許性判断の引用例から外されるからである
    (30条2項)。
  (2)意見書
     B3のロの進歩性が認められることを主張することができる。
  (3)その他、補正、分割(44条)
問題IIについて
 1.小問(1)(イ)について
  (1)丙は、共同訴訟的補助参加(148条3項)をすることができる。
    また、一切の手続をすることができる(148条4項)。
     当該参加をするためには、利害関係が必要であるところ
    (148条3項)、丙は、設定登録(98条1項2号)を受けた
    専用実施権者(77条1項)であるため、利害関係を有すると解する。
  (2)丙は、当該参加をするために、申請書を提出する必要がある
    (149条1項)。
 2.小問(1)(ロ)について
  (1)丙は、無効審決確定による特許権の訴求消滅(125条)を回避
    するために、無効審決取消訴訟を提起する必要がある(178条1項)。
  (2)提訴人適格
     丙は参加人なので提訴人適格がある。
     また、丙は、乙から持分譲渡を受けているため、当事者としても
    提訴することができる(178条1項)。
     その場合、丙は、甲と共同で提訴することができる。
     また、単独でも提訴することができる。
     保存行為のためである。
     また、合一確定の要請を満たすためである。
 3.小問(2)について
  (1)Yを追加することは原則することができない。
    訴訟においては、審判で判断されたもののみ証拠として利用できる
    からである。
     ただし、公知技術を判断するための補強資料であるならば、
    訴訟において提出することができると解する。
  (2)○1の場合について
     補強資料なので訴訟で利用することができる。
  (3)○2の場合について
     訴訟で利用することはできない。
    よって、丁は、別途無効審判請求する必要がある(123条1項)。
                                 以上


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